よわむし
あぐり

弱いのです
弱いのです
さみしさをしらないふりにできるほどに
わたしは強くないのです
あなたに声高にさみしいといえるほどに
わたしは弱くないのです

死にたいと
死にたいと
あなたにいえるほどに幼稚ではなく
溜め込んで昇華させられるほど大人ではなく
小さなしあわせはいつも透明なかおりがする
あなたの首筋が
わたしはだいすきだよ

こうした人間をわたしは弱いという
喜びを倍に出来てもわたしは
まだ哀しみを半分にする公式を知らなくて
ねぇ、
ねぇ、
垂れ流しても良いよね
わたしは
弱いのです

弱さを見せつけるほどには強かな人間です
あなたをあいせるほどには強かな人間です
弱いって
言ったらわたしはいつも拗ねるよ
ねぇ、
弱いって
自分で自分を弱いっていう人間をわたしはずっと
軽蔑してる
きらいだ、きらいだ

(せかいじゅうがみんな弱いってわかっているのに)

それでもわたしは強いんだと
いえるほどには
わたしは強くないのです
弱くないよ弱くないよ
そう自分に暗示をかけているほどには
わたしは弱いのです
すぐにばれる嘘はおいしい

(わたしは弱くなんかない)

(わたしは弱くなんかない)





自由詩 よわむし Copyright あぐり 2010-02-10 23:16:03
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