君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
瑠王

君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
また蝶を結ばなきゃならない

気泡が溢れた街は少しばかり辛い
栓をあけたまま数日もすればそれはもう飲めたもんじゃないが
今日の街はコークのように黒くて
肌がピリピリする
冷たい何かにそそのかされて
皆浮き足立って泡立っている

それを奴らが飲み干すのさ
闇で肥えて、光といえばフラッシュしか知らない
もう歯が溶けてしまって
何を言ってるかもわからないような奴らさ
たとえ歯があったとしても
本当のことなんて何一つ言えやしないのだろうが

使い切らずに増えてゆく鉛筆のような日々
あの店へいって独りでふかしていると
向いの席に悪魔が座ってビールを奢ってくれる
その代償に僕がまたひとり死んでゆく

そして君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
蝶はいつも飛んでいってしまう


自由詩 君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから Copyright 瑠王 2010-02-10 12:19:33
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