君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
瑠王
君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
また蝶を結ばなきゃならない
気泡が溢れた街は少しばかり辛い
栓をあけたまま数日もすればそれはもう飲めたもんじゃないが
今日の街はコークのように黒くて
肌がピリピリする
冷たい何かにそそのかされて
皆浮き足立って泡立っている
それを奴らが飲み干すのさ
闇で肥えて、光といえばフラッシュしか知らない
もう歯が溶けてしまって
何を言ってるかもわからないような奴らさ
たとえ歯があったとしても
本当のことなんて何一つ言えやしないのだろうが
使い切らずに増えてゆく鉛筆のような日々
あの店へいって独りでふかしていると
向いの席に悪魔が座ってビールを奢ってくれる
その代償に僕がまたひとり死んでゆく
そして君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
蝶はいつも飛んでいってしまう