ほめられて
朧月

なにをやってるんだって言われるよりも
よくできたねって言われるほうに
どきりとするようになった

ほめられていいものだろうかと思うなんて
自分ではうまくやれたって思っても
すんなり認められないもんだね

じょうずにかけたとほめられた絵を
教室に飾ってもらって小鼻をふくらませた
あの頃の私なら きっと
ちゃんと笑えたと思う

人の言葉の裏を見ようとしてしまう
人のしぐさの理由を探そうとしてしまう

目があった小さな子供の
そらさない瞳に吸い込まれて
あの日の公園に放り出された
そうだ ブランコもあったね

順番こっそり待ってた
次こそ乗れるって期待しながら
割り込まれたってなにも言えずに
別にってかけてった自分を見つける

ほめてくれてありがとうって言えなくて
やり場の無い手をぶらつかせて
相手がだした手の平を
また どきりとしながらそっと握った



自由詩 ほめられて Copyright 朧月 2010-02-09 21:36:17
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