名残雪
……とある蛙


ラーメン屋の湯気の中で
二人で未来を語っていた時から
おまえは何時(いつ)も ずれた視線をしていた。

駿河台の坂を上って行く途中
ヒラヒラと雪が降り始め
俺には寒かったが
おまえは
山形で見る雪はこんなものではないわ
とそっと呟いた

それから春がやって来て
俺達の恋愛ごっこは終わっちまった


自由詩 名残雪 Copyright ……とある蛙 2010-02-08 21:00:51
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