夜を探して
窓枠

風が痛いくらいにしみこむ
私の肌はまだ 怯えていて

街頭のネオンを通り過ぎるたび
臆病者の影は心配そうに現れる
風邪は曳くなよ
なんて言いたげに(君こそね)


周囲に誰も居なくなるってのは
どこかさっぱりとしているよう

賑わう商店街は殺風景
だんまりを決め込んで

close...とは
なんにも売らない
だあれも買わない

ああそうですかと立ち止まらない私
ひとり賑わい(とてもさむい)


静寂を払わんとして
私は月を探す

星をたどって 雲をかきわけ
まるで夢を見ているかの如く
意識だけが泳いでいく

世界はゆるやかに溶けはじめ

この眼に落ちてくる無彩色の光
柔らかい無言の大気が胸を叩く

(起きていますか?)起きていますよ
呼吸を繰り返しては身震いをして
人肌に恋い焦がれています


私はまた歩きだす
進路なんてものは
決めていないけど

私はまだ歩きたい
太陽が起き上がる
その一歩手前まで


明日も明後日も
何十年経っても
変わらない速度でいたい


夜を探して


24時間後にまた 会いましょう



自由詩 夜を探して Copyright 窓枠 2010-02-07 01:41:44
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