穴の空いた靴 
服部 剛

僕の履いてる靴の踵は 
ぽっかり穴が、空いており 

電車待ちのベンチや 
仕事帰りのファミレスで 
片足脱いでは 
いつも小石を、地に落とす。 

給料日が来るたびに 
「今月こそは買おう」と思いつつ 
はや半年の、月日は流れ 

日々の仕事を共にする 
もの静かな相棒みたいな 
ぽっかり踵に穴の空いた、この靴は 
ぽっかり胸に穴の空いた、この僕の姿に似て 

今や、世界中のどんなに高い靴よりも 
ぴったり僕の素足に、馴染んでいます。 





自由詩 穴の空いた靴  Copyright 服部 剛 2010-02-04 19:59:53
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