歯磨きの詩 
服部 剛

くたびれた足を引きずって 
辿り着いた我家で
晩飯を食べたら  
洗面台の前に凛と立ち 
ごしごしと、一心不乱に歯を磨こう。 

今日という日の食べかすが 
きれいさっぱり消え失せて 
にっと笑った歯並びが
きらりと光るまで 
今夜もごしごし、歯を磨こう。 

「白い歯っていいなぁ〜ホワイト&ホワイト」 
ってわけにはいかない、愛も仕事も 
虫歯だらけの、僕の日常を 
自ら治療する為に 
これでもかって、歯を磨こう。 

歯茎から、血の滲む程・・・ 
っていうのは嘘である 

イタイのはちょっぴり恐い  
臆病者の、僕である・・・が、 

鏡に映る 
間の抜けた面を、睨みつけ 
瞳に炎を点火して 
めらめらと 
無心のままに、歯を磨こう。 

生易しくない 
明日という日を 
噛み砕き 
美味しい時間を、あじわうように 





自由詩 歯磨きの詩  Copyright 服部 剛 2010-02-04 19:04:36
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