ハニーフレイバー・レイトショー
アヅサ

宝石を口に含んで遊ぶ
あの娘が笑うたび
きれいな犬歯は怪しく光る
宇宙船の軌道のように正確な
ピンクの唇が生意気に
愛の歌なんぞうたっている
蝶々が飛んでいった
あの娘は鼻先で笑った


大事な大事な秘密の場所は
黒く澱んだ宇宙?花園?
隠してきたカラフルな声を
今夜ほどけるリボンを
ミツバチたちはどう思うかしら
かわいいつま先を
乱暴な青色に染め上げて
笑うあの娘を
なんとののしるのかしら


可憐で痛々しい首筋に
スパンコールのような光
なまぬるい夜の視線が好き
なつかしい花畑のような匂いが
でもあの娘からは確かにしていた
まぼろしのようなネオンライトと
あたたかな水面の反射
きれいだった
あの娘よりずっと
きれいだった


自由詩 ハニーフレイバー・レイトショー Copyright アヅサ 2010-02-03 23:17:15
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