魔法
クローバー


手の内に隠した、種を、気づかないふりしていてあげる

それが花になって、誰かを笑顔にするなら。



膨らんでいる、と君が言ったから
目を凝らして、枝を見た

そうではない、と気づくまでは、もうしばらく。



誕生日になると、父さんはいつも
手の中から、花を出してくれる。
そして、こう言う。

これはおまえそのもの。

何故かは分からないけれど、私は毎年笑ってしまう。


自由詩 魔法 Copyright クローバー 2010-02-01 21:43:27
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