夢物語
愛心

夢を見ている

あたしは綺麗で
まるで勇者みたいなお姫様

幻想的な世界に立ち尽くす
一人ぼっちで

傍らには 手懐けた獣達

愛らしさなんて欠片もない
獰猛な爪牙をちらつかせ
黒の翼は空を裂いた

心に飼った憧れの強さ

愛だなんて重いもの
恋だなんて苦いもの

あたしは身軽に 空っぽで生きていたい

それでも何を待ちわびてるのか

あたしの薬指はあいたまま
先の見えない小指の赤

それでも手繰り寄せたりしない

孤独に快楽を見いだして
笑うあたしは気持ち悪い

淋しいなんて 言わない
言ったら負けだ
変わり者のあたしは
この感情に慣れなければ 生きていけない



あたしを迎えに来てくれる
この世界を壊す悪役様は


夢を醒まさせる王子様は

いつになったら 来てくれるのかしら?



自由詩 夢物語 Copyright 愛心 2010-01-30 21:47:38
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