0-gravity
サカナ

教室でふいに
かかりっきり
になってしまう先生
背後で
好き勝手する
魚を食べたり
それを戻したり
さらに並べたり
する

駅や図書館には
変な音を出す人が
いっぱいいて
それはウルサイ

(五月病なんだよ
 世界が
 年中発情してる
 卵焼きが不味い)

金魚に名前をつけた
ら次の日家出された
エラ呼吸のくせに
逃げ足ばかりはやい
所詮足の無い自由に
追いつけやしないんよ
酸素あるし
気ままにしてるんだろ

発光しない
代わりもやってこない
水温のぬるい夜
ぶつかる父さん
漂う母さん
しんしん
レンジがパイを焼く
トイレはそっちじゃないです

(そういえば
 サスペンダーって
 なんか怖そうだ)

なぁなぁ
世界というのは
ほうんとうにほんとうに
潰れた水路の入り口
から垂れ流し
の暗渠
であります

見えていないのですか
それは電柱ですよ
父さん
あなた浮いていますよ
母さん

帰れないんだよね
ずっと
泣き笑いで
先生の背中を
探しているのに



自由詩 0-gravity Copyright サカナ 2004-09-25 22:07:24
notebook Home 戻る  過去 未来