あてる
フミタケ

退屈さを
ごまかさず
指はおいて
静けさはそのままに
胸の辺りにあるものを
すます
決まっていない順番のとおり
ひとつづつ
さいごに
ひとつだけ
なるように
人気ない夜の
学園都市はただ
広々となんにもない
なんにもない
イルミネーションだけが
もの言わず
点灯し
寂しさ
でなく
孤独の中へ
あてる
ほのお
君を頼るだけでなく
  利用するだけでなく
  イメージもせず
  信頼とは言わず
ただ
透明に汚れたふたりと


自由詩 あてる Copyright フミタケ 2010-01-29 01:55:26
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