背中
綾瀬のりこ

サラリーマンだった父の背中は
遠くて近寄りがたかった

自営業を始めた父の背中は
なんだかわからないオジサンだった

年老いた父の背中は
丸く小さくなったが
ぐんと近づいて
いろんな事を語っている

子供は親の背中を見て育つと言うけれど
大人にならないとわからない事もある
今だからこそ
父の背中が語る事が伝わる

ありがとう
丸い背中に向かってつぶやいてみる


自由詩 背中 Copyright 綾瀬のりこ 2010-01-27 13:16:35
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