「 沈む夕陽に魅せられて 」
椎名

水平線に陽が落ちる

海と空を緋に染めて

一日我々を照らし

ぬくもりを与え続けた太陽

おそらく

明日も

あさっても

変わらずに昇ってきてくれるのだろう

約束なんてないけれど

そう信じさせてくれる



天と地の間で

我々は生かされている

自然は回り続け

変わることのない繰り返しで時を刻み

全てのものを許容し育み破壊する



何をもがいているのだろう

こんなちっぽけな存在

無数に蠢く人・・・人

この偉大な空間では塵にも等しい存在

天を仰げば

気が遠くなるような空間と時間が広がっている

大地が

受け止めてくれるから存在していられるというのに



我々が存在する理由など

本当はどこにもないのかもしれない

自然の大きな愛の中で

存在させてもらっている

そんな気がする

あの夕陽を見ていると



命は儚い

与えられた時間はごく僅か

この限られた時間

もがくだけで終わらせたくない

せめて

存在させて良かったと

思ってもらえるような

そんな生き方をしたい

この美しい自然に恥じないように



自由詩 「 沈む夕陽に魅せられて 」 Copyright 椎名 2004-09-25 12:55:47
notebook Home 戻る  過去 未来