スカンディナヴィア
within

ぼくは裸にもどります
着ているものを脱いで記号にもどります
記号は誰かに気付いてもらうために
信号になります
見つけてくれるまで発信し続けます


金属と石に惹かれる女たちは
アイスランドに向かい
白夜と極夜に
朝と夜の繰り返しを否定されました

そそり立つ針葉樹の白樺に 雪鳴りが響きます
暗い島は
氷点下一〇℃でワルキューレ達の甲冑かっちゅうの輝きに
満たされ
たてがみの伸びた馬が
雪の積もる乾いた草原を走り
夜空を駆けます

太陽風が地球の磁場に入ると喚び起こされる光

熱帯で サンゴ礁が消え 砂漠が広がれば
北のスカンディナヴィアは
さらに凍ります

冬の寒さと眠れない夜に白夜を思うのです
「ゴート人は海の向こうのスカンザからやってきた」


振り返られることもなく
フィヨルドの氷河に埋もれても
受け入れてもらえる時がくるまで
ただ信号はチョークでかかれた白い文字のように
在り続けるのかもしれません


自由詩 スカンディナヴィア Copyright within 2010-01-25 02:40:39
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