きみという少年時代の秘境について
瑠王

きみという少年時代の秘境について
そこに恐れていたものなど何一つなかった
きみに吹く嵐は去り時をわきまえていたし
きみの森に虎なんかいなかった
過ち達は気前よく十字を切って
帰り道に気をつけるよう気遣ってくれた

きみという少年時代の秘境について
それどころかそれらが何一つ存在しなかったかのようだ
痛々しい若葉の芽吹きもなく
きみの見せたがった光景は何処にもなかった
むしろきみはそれを伝えたかったのかもしれない

星が割れて落ちてきた
私は暫く気を失って
瞼を解いてみれば
そこにはただ川があった
その先はずっと海へと続いていた



(2011.8.28 reprise)


自由詩 きみという少年時代の秘境について Copyright 瑠王 2010-01-25 01:05:51
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彼の死が訪れた三日間