西日
小川 葉



正直者が
墓を見ている

使い古された言葉のように
花が一輪
添えられている

祈ることが
生きることになって久しい
誰もいない部屋に
また電話してる

かなしみが
骨を震わせている
隙間にはまだあたたかい
西日が残っている



自由詩 西日 Copyright 小川 葉 2010-01-25 00:51:04
notebook Home 戻る