ほうぼう
あおば

                 100122



方々に散っている友人が
一堂に集まると
威勢が良くなって
すぐに革命を起こしたくなるそうだ
その友人の一人が打ち明ける
革命的な企ても無しに
革命が成就したつもりになって

きれい事を列挙する
きれい事には金銭は伴わないかのようだ

斯様に夜は過ぎ
朝を迎える頃に
冷えたつららが
ギラリと伸びる
落ちる前の予兆と
烏たちは知っている
知らないのは
軒下に生息する鎌鼬
借り物の毛皮を貫いて
首尾を遂げるつららたち
朝日が差しても意に介さない

つららつららと楽しげに
革命を歌い
方々から参集したものたちが
ため息をつくたびに
つららは伸びて
次々に落下する
毛皮を貫かれた偽の獣たちは
腹いせに
街の住民に意趣返しを企む
それからのことは
国語辞典に任せて省略するが
鎌鼬の生息する街には
冬になるとつららが伸び
背筋を凍らすような
朝を拵えて
恩着せがましいセリフを吐かせる
方々に友人が居る人たちは
耳を塞いでそれを聞こうとはしない






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。


自由詩 ほうぼう Copyright あおば 2010-01-22 23:52:55
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