ヤンバルクイナの啼く夜に
仁惰国堕絵師

我らは数珠を繋ぐように
今日まで生き存えた
なぜならば我らはヤンバルに抱かれていた
ヤンバルクイナの啼く夜

我らの未来は
明るくはないが消えはしない
なぜならば我らはヤンバルに抱かれていた
ヤンバルクイナの啼く夜

我らは飛ぶことはなく
飛びたくもなく飛べもしない
ならばなぜこの背中の名残を断ち切れない
ヤンバルクイナの啼く夜

我らは大地を
駆け回る脚を持つ
ならばなぜ侵略者の魔の手から逃れられない
ヤンバルクイナの啼く夜

我らの望みを
あなた方は傍観者のように
あなた方は偽善者のように
眺めては憂うだろう
ヤンバルクイナの啼く夜に

我らは消え行く
ヤンバルの護りも虚しく
我らは滅びるのでなく滅ぼされてしまうのだ
ヤンバルクイナの啼く夜に

我らは忠告する 明日はあなた方だ
あなた方は滅びるのでなく
滅ぼされてしまうのだよ
あなた方が我らにしたように

ヤンバルクイナの啼く夜に


自由詩 ヤンバルクイナの啼く夜に Copyright 仁惰国堕絵師 2010-01-20 02:38:35
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