宇宙の本 
服部 剛

安易なキボウが、風に消える 
この糞ったれな世界にて 
ぼくは今迄よりも必死に 
「ほんとうの答」を探し始めた 

古書を開いて捲るほど 
文字の無い空白の頁の 
左側には、十字架にかけられ、頭を垂らす人。 
右側には、夕闇に灯る星に、瞳の潤んだ詩人。 

あぁ世界がもし哀しみに 
構成されているならば  
それでもこの胸の内に 
一つの意志のように 
今日もいのちが脈打つのは、何故? 

「その時、窓外の夜空は 
 無数の星を、文字にした 
 宇宙の本と、なるだろう・・・」 

やがてぼくはたった独り 
布団を被り、胸に手を当て 
宇宙のこころを映す 
地上の物語を、夢に視る 





自由詩 宇宙の本  Copyright 服部 剛 2010-01-14 23:29:00
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