抜け殻
弥鈴

あの日二人
言葉を惜しむ程に
見つめあった時を
昨日の事のように
想い出しているわ

どうしても
時間を止められず
唯それが悔しくて
泣く事も出来ずに
笑って見送ったの

時空がゆがんでも
闇夜に呑まれても
かまわないくらい
愛おしい人だった

あの瞬間の永遠に
魂だけ綴じ込めて
脱け出したいとも
想わないのだから

だから今でも
想い出の中だけを
彷徨うようにして
生きているような
そんな気がしてる

まるでわたし
抜け殻みたいだネ



自由詩 抜け殻 Copyright 弥鈴 2010-01-12 01:20:05
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