夕映え
仁惰国堕絵師

茜に黒のシルエット
三角屋根の向こうには
遙かな世界があるのかな?

茜に星が増えてきて
せっかく覚えた”黒猫のタンゴ”
揺れる輪舞で忘れるのかな?

むくれた僕の手を引いて
繋いでくれたその平で
夕映えをおうちに帰るんでしょ?
夕ご飯を皆でいただくんでしょ?

もうすぐ港に陽も落ちて
もうすぐおうちも見えてくる
父ちゃんはもう帰ってくるかしら?
電車に揺られているかしら?

そうだ!、口笛父ちゃんに聞いてもらうんだ!
でも、口笛上手く鳴らないときもあるから・・

ピーピューピーピュー
ピーピューピーピュー・・・

父ちゃんはもう帰ってくるんでしょ?
電車に揺られているんでしょ?

細長い二つのシルエット
三角屋根の向こう側
茜を夜に染め上げた


自由詩 夕映え Copyright 仁惰国堕絵師 2010-01-11 23:55:12
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