白輝
鵜飼千代子

時計の円周を2秒で6度分進むかのような時間の流れの中で
水平線が白輝しているね
だとか
 
海水は同じように岸へと波を打っているのではなくて
海面をあちらへこちらへとそれぞれが向いながら
ひとつの大きなうねりとなって岸へ辿り着くのだね
などという
 
倍進みの時間を

コーヒーカップが皿から離れ
くちびるを渡り
もう一度皿に戻るまでの緩やかな時間の中に
挿み込んでいなければ
崩れてしまうもののようなのだ
 
夕日海岸ホテルの窓辺で
海を眺めながら
 
 

    
   
 初出  Blue Water    平成13年6月9日
 改訂
 千葉県詩集 第35集 2002年版 所収
 詩集 ブルーウォーター 所収
 写真: http://homepage.mac.com/tmoegi/BW/BW/1info/Event/tateyama/02.jpg


自由詩 白輝 Copyright 鵜飼千代子 2010-01-07 15:06:30
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