お墓参り
朧月

無言で参るお墓には
先祖が眠るとおもわれる
震えて見える母の指先
なにが思い出されているのだろう

泣いているのと尋ねれば
なにも言わずに首ふった
母の手には グラスがあった
琥珀の色に染まってた

幼い私が笑った私のステップの先に
つめたい祖母の顔が
あること知りつつ 踊りました
空気がぴんと張っている
知りつつ祖父は手をたたく

なにかが 終わり
なにかが 変わる
そんな日をずっと待っていたけど
それが ゆくこととは思わなかった
そう 思わなかったのでしょうか
ほんとうに

手を合わせ だけど 祈りはしない
そんな時間が終ったら
あなたは いつ 戻るのですかと
母は いつも 静かに問うのです







自由詩 お墓参り Copyright 朧月 2010-01-04 21:25:55
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