インド旅行記14(カルカッタ)
チカモチ

ヴィクトリア記念堂に行ってきました。当時、インドの皇帝も兼ねていたヴィクトリア女王を記念して造られたもので、純白の大理石を使った美しい建物です。
カルカッタの中心にあり、広大な公園に囲まれていました。休日だったせいか、現地の家族連れやアベックなどをたくさん見かけました。

記念堂の中は歴代総督の肖像画、インド各地から集めた美術品などが展示されていました。たいしたレベルだとは思えませんでしたが風景画なんかもあったので、わりと時間をかけて眺めていました。やはり私、絵を見ることが好きみたいです。バラナシの占い師に言われた通り、余裕が出てきたら絵を描いてみようかな、と思いました。

しばらくは公園をブラブラしていたのですが、さすがに暑くなってきたので今日も映画を観にいくことにしました。これまで特に供述しませんでしたがインドは基本的に暑く、歩いているだけで体力がどんどん消耗していきます。映画館ならエアコンがきいているので、快適に時間をつぶすことができる。

てっきり映画館かと思って入ったところは劇場でした。まぁいいや。ここも涼しいし、思いがけず観劇できるなんて棚から牡丹餅だ!

今回はストーリーもよく分からなかったのですが、おそらく現地の人から見たら退屈な劇でした。場面もたいして変わることなく、同じ歌をバカの一つ覚えみたいに歌い、途中退出する人を何人も見かけました。インドの劇はみんなそうなのかもしれませんが、宗教色の強そうなものでした。
それでも私にしてみれば、インド人の歌や民族楽器の演奏を楽しみ、インド劇を生で見ることができたので、得した気分でした。インド人の役者は声が通り、なかなか迫力のある演技でした。

劇場を出る時、満ち足りた表情のおばさんを見かけました。観光地ではなく、インド人の日常に入り込めたことを嬉しく思いました。

ここは都会のせいか、あまり干渉されません。それは私が強く望んでいたことでしたが、いざそうなってみると寂しいものだなぁと思いました。勝手なものですが。

翌日は、街のはずれにあるカーリー寺院へ行きました。午前中はカーリー女神に捧げるためにヤギの首がはねられるということなので楽しみにしていたのですが、あいにく参拝者でごった返しており、中に入るどころではありませんでした。ちょうど秋の女神祭にぶつかってしまった模様。境内には特設の人形や祭壇などが飾られ、たくさんの親子連れが楽しそうに歩いていました。

おかしな人形が並んでいたので写真を撮ってると、男の子が物欲しそうにこちらを眺めています。一緒に撮ってあげようと身振りで説明すると嬉しそうに人形の前に立ちました。

バラナシにいた時に見かけた日本人男性を思い出しました。
おそらく自分と同じか、少し若いくらいの年齢だったと思いますが、ガンジス川のほとりで現地の子どもたちの写真を撮っていました。本格的なカメラだったので、多分そういう職業なのでしょう。子どもたちは彼を慕い、屈託のない表情をカメラのレンズに向けていました。

うらやましいな、でも私にはできないな、と諦めていたのですが、思いがけず念願がかないました。もちろん彼のように子どもの心をつかむことまでには至りませんでしたが、お金を介することなく純粋に心を通わせられたことは、自分にとって奇跡のように嬉しいことでした。

カーリー寺院の後はプラネタリウムへ。インドは天文学がさかんなのか、ここでも人がごった返していました。苦労して入ったのに、残念ながら大半は寝てしまっていました。

そろそろカルカッタにも飽きてきました。明日は待望のダージリンに向かいます。


散文(批評随筆小説等) インド旅行記14(カルカッタ) Copyright チカモチ 2010-01-04 12:06:00
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