ぷか海仰空
蘆琴

色の海で泳ぎたい
きっとおれはちょっと溶ける
肌の外側がピリリと感じて
いくらか色が落ちてしまう

肌が白くなる
だけど知ってる、中身はくら
心臓から黒が染み出して
いつかは海を変えてしまう

赤と青と黄とオレンジ
黒と黒と黒とおれ

ああやっぱりピリリと来たよ
そんなにツツイたら漏れ出しちゃう
花やかな悪魔が愚かな羊から
忌避すべき穢れた血を抜くように

骨を通って、指先から去っていく
迷悟の境界におれは今ぷかぷかと浮いていて
夕陽の色彩をぼんやり見つめて
今度は空の中で泳ぎたくなった


自由詩 ぷか海仰空 Copyright 蘆琴 2009-12-30 20:04:36
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