皮相
彰
皮膚から剥がれ落ちた
憎悪は
砂塵となって
棘に積もる
誰かが誘う
その胸にこの身体を
いだきたいと
造作の整った
左右対称の顔も
抱え込んだ臓物が
はみだして
引き摺られて行けば
見えない
臭気さえも漂うのに
そうして
しかめられた顔だけに
安堵する
埃に隠された棘を
隠しながら
それでも
笑みを浮かべ
ただ
今すぐにと
望むものは
それのみと
自由詩
皮相
Copyright
彰
2009-12-28 17:05:00
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