向こう側へ
北星三天





あと1時間で
仕事に行きます

感性に酔いつぶれた
千鳥足の心は

とりあえず脱いで
おきます


なんでもありと
そうでない世界の


僕だけの鳥居を
くぐり抜け

ジンとした脳の振動を
隠して歩かなければなりません

話さなければなりません



少し肌が冷たさを被っています

少し瞳が光を零し始めてます


本当の自分なんて
本当は大事だけど
本当は些細なことで

僕はうっすらと気づいてるけど

大したことではないんです


いつもの

日常のテーブルの上にでも飾っておいて

たまに眺めるくらいでいいんです


自分を愛するとナルシストと叫び

母親を大切に思うとマザコンと笑う


そんな間違い探しを賢いと勘違いしてる人は

ほっとくぐらい許してやります



いけない


あと1時間で仕事に行きます




僕だけの鳥居をくぐり抜けなければ




自由詩 向こう側へ Copyright 北星三天 2009-12-28 02:11:36
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