必ずしも裸体として判別できぬ形式により
井岡護

すると老いた悔やみが内部に広げる鷲に監視さ
れた輪がもうそれを好む人の指は白い平行な炭
の点滅せぬ直線に犯されながら高級既製服は主
人を危険な追い風に歩かせるまるですべてに対
して正当な理由を持っている透き通った泥を探
すような不作法にならんだ鼻の穴が昔からエリ
ネスとは最早お伽噺に出てくる巨人かなんかの
一種で気が付けばまたお決まりの言葉さ誰かが
それを全否定してくれると期待してまず何かに
依らなければ笑われない根拠を玩具箱の中から
泣きながら大概そういうものには火が必要だっ
たあるいは赤いものかあの下膨れした鞄につい
ては例外だが取り敢えずそこでは振り切ってし
まう必要があるように思われ汚物と不具者以外
のすべては傾斜を降順に放射していく鎧かなに
かだとでも思っていたのか傾斜の量だけ自らの
血の状態に気付けたはずだ見方を変えればそこ
には濃厚な意思や判断の石鹸カスや体毛がそれ
らの薄さが教えるものは何かあの時岐れていっ
た時に感じた高尚な高ぶりについての根底的な
世に言われるそういった普通でない人たちが口
を開いた時に発するそうだ目覚めずにいるのが
老いた食い違いに淵色の凹凸を割り潰すのが少
ない王国で死ぬ若い郷紳よだがこれに少しでも
気付けるのならば続けずに諦めぬべきだ道を行
くのを岐れた道をあの場所嘲笑や拒絶から逃れ
ようと立ち向かってすらあなたが選んだ道でな
い多くの愚かな汗臭い登攀家の群れのその下に
あるのだと深みと思い求めた広がりは私は普通
の人である寂しげな白いものがそう望んだよう
に登りもしよう押しつけられる杭のような臭気
の中で見ようとする青に吸い込まれていきそう
な同族や郷紳の見ることのない解決へとその綱


自由詩 必ずしも裸体として判別できぬ形式により Copyright 井岡護 2009-12-27 22:36:08
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