星空と白地図
水島芳野

こおりづけの夜が明けたら
あてどない君のくちびるにキスしよう
果てしなく遠ざかってゆくあの空と
まやかしのあなたの正しさを
どこまでも信じてゆこうとした
僕の未熟さをどうか、つまびらかに解き明かして
やさしく僕の首を絞めてくれ。


きみはしっていた?
揺れている炎をみつめていた?
くすぶっている闇の片隅に
いったいなにをみつけていた?


やさしく耳をふさいでくれ
そのきよらかな手で目隠ししてくれ
すべて塗りつぶしてしまってくれ
僕のことなど忘れてくれ
すべていつわりだったといっても
嘘にはならない。


今日は聖なる日だ
すべて忘れる事がゆるされる
ああ、やさしくしてくれ
ぼくのきたなさを罰してくれ
すべて永遠だ
途切れることなく続いていく果てしない点の一つにすぎない

だからこそぼくは孤独だ。


自由詩 星空と白地図 Copyright 水島芳野 2009-12-23 23:55:44
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