犯罪者は夜手をつなぐ
吉岡ペペロ

防砂林ごしに轟音がしていた

飛行機の離発着のような音だった

愛人と犯罪を完遂したあと

手をつないで夜の海岸に出た

防砂林をぬけると

轟音の正体はやはり海だった

死ぬことは無念ではなかった


普段着のまま

ふたり並んで砂のうえに寝た

手をつないだまま夜を見上げると

無数の星が

これからゆく世界のもののようだった


防砂林ごしに轟音がしていた

飛行機の離発着のような音だった

愛人と犯罪を完遂したあと

手をつないで夜の海岸に出た

防砂林をぬけると

轟音の正体はやはり海だった

死ぬことは無念ではなかった


自由詩 犯罪者は夜手をつなぐ Copyright 吉岡ペペロ 2009-12-23 22:10:03
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