豆狸。
菊池ナントカ


豆ダヌキが僕ん家に来た。
豆ダヌキは僕が一番会ってみたかった妖怪だ。

ひょうきんな顔で食べ物をねだった。
今日は風が強いから、
流石の自慢の外套を被っていても豆ダヌキは寒そうにしている。

僕は急いで袋のインスタントラーメンを作って渡した。
豆ダヌキは、ひょいと会釈するとラーメンどんぶりを抱えてチタチタ歩いてゆく。

また来いよ!
と声を投げ掛けたけど、
電信柱の小さな光の道を豆ダヌキは足を止めず歩いて行った。



自由詩 豆狸。 Copyright 菊池ナントカ 2009-12-16 01:15:59
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