生きる
朧月

顔色ばっかり伺って生きていたとき
顔色のさえないあいつに出合った
余命半年のあいつは
生きることにあがいていた

生きてたっていいことなんかないと思って
人と視線を合わせずにいた
人の視線をさけるように
孤独を選んだあいつに合った

比べることなんてできないぐらい
きびしいあいつの毎日に触れても
笑いすらわけられない私の手はからっぽだ

なにをしてきたのだろう
なにを無くしたって言うのだろう
心さえあればいいなんて言えない
命って言葉で増やせない

同じ大地にあいつと立ち
未来じゃない 過去じゃない
今の空気 おなじよに吸って

同じときあいつと過ごして
絶望じゃない 空想じゃない
果てしない夢を語った

私とあいつがここに
生まれてきた意味は 絶対にある
それを掴むために 私は生きる



自由詩 生きる Copyright 朧月 2009-12-15 13:05:25
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