はしばしからふるひかり
あすくれかおす
◯
青い、窓は6時台、大きめ自動車/の過ぎる音、宅配、動き出す鳥たち、
短いリズムで返答、背中に抱えてる物差しを長考、
誰を、誰が始めたっていいだろう、次の行く先では、誰だって、夜に、いなくなる。
◯
朝食が、東から、光を浴びるまで
小さい雲の成り行きを待つ
箸をとめることは
本能をとめること
ひとつずつほぐしてみたらいいんだよ
きみたちのその、鮭フレークを分解して、
ひとつひとつにしたらいいんだよ
けどさー、鮭ってもとはひとつじゃん?
フレークのひとつって何よ?
ひとつって何だ
◯
産後間もない今日という日が
みるみる育って
もうひとり歩きできるほどに
喧噪を抱えている
たとえば今ねむることだってできるんだよ
夢をみることなんてたやすい
土手に座って待っていてもいい
端々から 届ける ひかりは 静かに 送信してる
ひかりを
そう信じてる
◯
ガイガーカウンターが赤色ランプになる
ぼくらはその夕暮れにいる
あたしはまだスカートを脱ぐことができずに
寒いねって両手で 肉まんをぬるめている
いるって、寒いね?
いるって、ぬるくなるねえ
切り合った 髪の毛が舞った
たくさんの/か細い闇の色
ぼくらはその暗がりを待つ
◯
壊れたジャックポットのように泣かないで
どういうわけか溢れ出すものを拾って
ささいなものに興味を持て
ありきたりな浅瀬に深く沈め
なんにもない空き地に勝負を挑め
そしてそこに
とてつもない何かを感じたなら
誰を、誰が始めたっていいだろう
おれたちは、
まだ、
その手前にいる、