理と迷信
瑠王

しにがみ達は安堵の笑みをもって軽やかに表面を撫でてゆく
次第に露になってゆくその裸体がすべて明らかになった時
私達は知ることをやめるだろう


無知に臆病なライオン達が双眼鏡をもって立ち回る
草花は雪の下で厳かに閉じてゆく
顕微鏡で明日を覗く学者達
車の後ろの缶を鳴らして明日へと向かう夫婦達

物知りだった老人の骨にやはり文字は見つからなかった
(私達は眠る彼の上に石と十字を)
物知りだった老人の骨にやはり文字は見つからなかった
(そして彼はただ、黙って眠る)

今生の別れに花を贈りましょう
花は毎年必ず咲きます

でもやはり骨になるだけなんです
そして世界には石と十字が残ります





自由詩 理と迷信 Copyright 瑠王 2009-12-11 14:25:21
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