通勤ルート
朧月

あんたには悪いが出て行ってくれと
言った叔父が先に死に
出て行きますと言った私はまだここにいる

冬の朝は毎年寒い
なのに今年は寒いねって言う
今年こそって願う始まりは
いつから感じなくなったんだろう

あんたの顔をみたくないと
言った叔母の娘は出て行き
わかりましたと言った私は毎日顔を合わせてる

通勤ルートをかえたくて
何度曲がろうとしてみたけれど
時間があるときでさえ渡れない橋がある

花が咲いてるおうちの前で
ため息をつかなくなったけど
ちらりと横目で眺めてしまう
癖はまだなおらない

冬の道 吐く息は白く
その曇りで未来を描いてみる
私とそして そして そして
やっぱり だれも浮かばない



自由詩 通勤ルート Copyright 朧月 2009-12-07 21:37:24
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