「綿毛」
月乃助


杉の梢のうえに
あなたの声を聞いた気がしたのです
…枝の間に、冬の鳥のさえずりの中に、
 ひとつ、ふたつ…
タンポポの綿毛になって
飛んで行くのですね、

とめたって
きっともう おそいから

ひとり知らない間に
離れていく
ここは寒いのでしょう
素足で霜をふむように
見送っても、ふわふわとしている
でも、
あたたかくしていなさい

どこに飛んでいこうと
冷たいアスファルトの上にはいかないようにしなければ
木枯らしは、わかっているのです、
あなたを幸せなところに
連れて行ってくれる
そのために、
今日の風は、陽だまりの中に生まれた
ほんの少し、心配しながら

それにのって
いけばきっと 幸せになれるのですから
風にまかせてみるのも
時には、
よいかもしれません

とにかく、どうしたって

いつも
幸せで
いてください 







自由詩 「綿毛」 Copyright 月乃助 2009-12-07 12:37:15
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