蛙の黄昏
……とある蛙


ぬめぬめとした
自分を抱き締めた。
皮膚呼吸をしているはずなのだが、
何かを塗りたくてたまらない。

空には暗いグラデエーションの夕暮れ
丘に登って見上げている僕は
ぬめぬめとした
自分を抱き締めている。

夕日は藍色をしていて
空の上澄みは白かった
白い上澄みの先に星が見える。
その星を掴もうとしてもとどかない。

そうさ黒は無い。
くっきりとした黒は無く
暗いグラデエーションが
空を覆い。

僕はと言えば
あいかわらず
ぬめぬめとした
自分を抱き締めている。

わきに横たわるおまえも一緒に。
それなのにどうしたものか
酒飲みのくせに
ゲコと鳴いた。


自由詩 蛙の黄昏 Copyright ……とある蛙 2009-12-07 11:46:02
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