空
番田
だれの書き置きすら
ないものなのに だれかとしての姿は
言葉の中のだれかではなくさせられた
ああ そして だれかとは僕の内の大空なのか
この本にゆらいでいる
言葉の並びをなぞっている
言葉の切れ目をなぞらさせられている
*散歩
湖の桟橋で
魚を見た ゆらぎを
波紋のシワを 僕は見た
おもりはスカラビア湖畔を歩かされていった
ラインは夢に残っていた
ゆらめきの黒色を流れていた
僕の考えがあって
ヒレは魚の形を崩していった
自由詩
空
Copyright
番田
2009-12-07 01:33:58
縦