2009.12.5 メモ
結城 森士

おもちゃ屋さんで、スヌーピーやら、トムとジェリーやら、バッグスバニーやら、くまのプーさんやら、…そんな、無邪気で陽気なキャラクター達を見ていたら、幸せな気持ちになる。彼らに通ずるのは世界観だろうか。良いなぁ…良いなぁ…。

表参道はイルミネーション。クリスマスソングが流れ、みんな、仮初の愛に満たされている。

賑やかな通りを一人で歩いている。これからもずっと一人だろう。そう思うと、苦しくなる。幼い頃、家族と共にクリスマス一色、愛に満たされた町を歩いたっけ。母親と手をつないで。シャンシャンと鈴の音が鳴り、サンタさんが商品を宣伝し、町行く人々はいつもより幸せそうで。僕も幸せになれるって信じていたんだけどな。

昔からよく聞く話。
ぱっとしない青年が、みじめにクリスマスを過ごす。
何かに救いを求める。
スヌーピー。トムとジェリー。
良いなぁ、良いなぁ…。良いなぁ…。
笑いそうになる。涙がこぼれそうになる。
そっか、これが希望なんだ。
絶望の中にいないと、希望は見えないんだ。
絶望があるからこそ、希望が輝いて見えるんだ。

だから僕は、絶望が好きなんだ。

だから僕は、孤独が好きなんだ。

見る側じゃない。
与える側になりたいんだ。
だから、自らそれらを見ようとするんだ。欲するんだ。


先生
希望を描きたいです



夢を見た。
俺の引退試合に
S治が俺に写真と手紙を渡してくれた夢だ。

ああああ
ああああ
ああああ
辞めちゃうのか
忙しくなるんだろうな
がんばれよ
一緒に行こうって言ったのに

そう書いてあった。
写真はH政大学。
彼は今、実業団の選手。
俺は…?

うつむくと、涙は止まらない。


散文(批評随筆小説等) 2009.12.5 メモ Copyright 結城 森士 2009-12-05 12:25:53
notebook Home 戻る