ゆめがみれるのはいつもよる
竜門勇気

誰かが見ていた夢を
僕は追いかけて来たっけ
本当はもっと楽しいことを
思いついてたのに

切ないや寂しいに頼って
どんだけ人を傷つけても
治ってくのは自尊心だけ

二日酔いがこわくて
朝まで酒飲んでたっけ
何度も吐いて
結局何ヶ月も喉から
血が止まらなかったっけ

いつか見ていた夢が
他人の夢だと気づいても
絶望すらもできなかった
本当はもっと笑えてたはずだったっけ

誰かに納得してもらうためだけの
謝り方がうまくなった
悪いとは思ってる
その時は本当に思ってる
信頼が欲しいわけじゃなく
信頼がうむ金が欲しかった

お前は悪くはない
いいやつだと思ってたのさ
信じてたよ
これだけは嘘じゃない

寒さに震えてガタガタ街を歩いてた
服を買う金で酒を買ってどうにかしてた
ドブ臭い酒に唐辛子を混ぜて
僕は大事なことを誤魔化す
人の言う事は全部嘘で
僕が思うことは全部間違いで
手首に傷のある奴らが羨ましかった
あいつらは僕より友達が多い

僕は悪かった
みんなはいいやつだった
信じてなかったけど
それだけは後悔してる

今は部屋の中でガタガタ震えてる
窓を開けなきゃ苦しくて死にそうなんだ
何度も雪が降っては溶けて消えた
消えない僕はそれを見ている

今見ている夢は頼りなくて
誰かの夢の続きかもしれなくて
ときどきふっと消えてなくなる
けどとりあえず今は見えている
公園で話そうか
もっと遠くへ行こうか
ほんとは側にいても少し寂しいって言ってみようか
何時までたっても
もっと欲しくなる
ほんの少しだけ僕は目を覚ます


自由詩 ゆめがみれるのはいつもよる Copyright 竜門勇気 2009-12-05 01:31:01
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