星に願いを −stardust mix−
綾瀬たかし

 
 
 
【星に願いを −stardust mix−】
 
 
 
 遠い遠い宇宙のどこかで星が生まれると
 誰かがどこかで生まれるのだ、ということを知った。

 ならば私は、どんな星が生まれたときに
 この世界に生まれてきたのだろう。
 名もなき星のもとに生まれた私だから
 この世界で私のことを知る人はいない。
 だから自分が生きている理由
 そんなことも知らないし
 理解りたくもなかった。
 生きているって、そんなもの?
 私なんてきっと、こんなもの。

 遠い遠い宇宙のどこかで星が流れると
 誰かがどこかで死ぬのだ、ということを知った。

 次の星が堕ちたら、こんどはきっと私の番。
 次の星が堕ちたら、こんどはたぶん私の番。
 見えるはずのない流れ星を見上げる私は
 どんな星のもとに生まれたのだろう。

 今夜もきっと、どこか遠くの空で流れ星、
 私の星ではない、流れ星がひとつ。
 
 
 


自由詩 星に願いを −stardust mix− Copyright 綾瀬たかし 2009-12-05 00:42:56
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