la vie
高橋正英

噛み付かれながらもまっすぐに
吸わいとられる
ごむ。
メるヴぇいゆ。
夜のくうきに両手を挙げては火のような けつえきに、覆われていく あばらのやまの 影から見つめる  わたしは
あなたに
一枚
布を。
ひとり
mer
蔽いながら
ヴぇいゆ
流されていく la
ヴぇいゆ
窓の
外に

la mer

帰っていくのだ。打ち振るえ。波打ち際で
   「愛している」
   と耳元に
   囁いては涙をし消えていくle
   veille
   番人よ、
   おまえは愛の性器に悩み
   太い孤独を喉笛に落とし
   ひとり
   わたしに
   
   「愛している」
   と呟いては
   細い身体を寄せつける
   沖には 沖の向こうには
   いか釣り船が 並び 光り
   牢騒を
   ひといきに
   空に。



   「撃ち」


 

   la veille


   番人を
   何人もの番人を
   海に
   しずかに
   沈めていく
   わたしは
(あなたに告げなくてはならない

わたしのなかには番人がいる。


自由詩 la vie Copyright 高橋正英 2004-09-20 17:29:40
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