la vie
高橋正英
噛み付かれながらもまっすぐに
吸わいとられる
ごむ。
メるヴぇいゆ。
夜のくうきに両手を挙げては火のような けつえきに、覆われていく あばらのやまの 影から見つめる わたしは
あなたに
一枚
布を。
ひとり
mer
蔽いながら
ヴぇいゆ
流されていく la
ヴぇいゆ
窓の
外に
la mer
帰っていくのだ。打ち振るえ。波打ち際で
「愛している」
と耳元に
囁いては涙をし消えていくle
veille
番人よ、
おまえは愛の性器に悩み
太い孤独を喉笛に落とし
ひとり
わたしに
「愛している」
と呟いては
細い身体を寄せつける
沖には 沖の向こうには
いか釣り船が 並び 光り
牢騒を
ひといきに
空に。
「撃ち」
la veille
番人を
何人もの番人を
海に
しずかに
沈めていく
わたしは
(あなたに告げなくてはならない
わたしのなかには番人がいる。