地方限定。
wisteria

久しぶりに会った君は
私に甘さと苦さをくれるのね。
知っていたけど。

寒いからといって、
私の足に君の足をくっつけるのはどうかと思う。
どうして肩と肩をくっつけるのは駄目なの?
目線と目線が交わせない代わりに
枕と枕がくっついてくれる。

春夏秋冬
いつだって君の一番になりたかったし
あるいは一番最後に君の口から君の意思で
何か伝えられる人でありたいと願っていた。

どんなに君の寝息を頬に感じても
この手を君の頬に添えることはできないんだよね。

もう一度会いたいと思って振り返った先には
私より1歩、2歩進んでいた人たちの
群れの中に紛れてしまって
どこにもあの姿が見えなかった。
視界の左端から少し急ぎ気味で右側へと見ても
「さよなら」の感覚がとうに消えていた。

春夏秋冬
いつだって君のどんな姿でも見たかったし
あるいは君の我侭を我侭じゃなくさせる
君だけの愛しい人でいたいと望んできた。


自由詩 地方限定。 Copyright wisteria 2009-12-03 01:44:04
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