「花 束」
月乃助


   言葉を、さがすのです 

   くろうしながら
 伝えるのは
  もどかしい けれど

本当に言いたいことは 
行の間や【。】のなか
星の間のくらやみや
言葉のすき間にかくれてる
  どうやったら 見つけられる
それを さがしだすのは

光りがてらす
心を修飾する 形容詞に 
形容動詞の 【誠実な】【明瞭な】 
ありふれた顔をした名詞たちも
この世をささえる固有名詞 【Andromeda】
たちにも うんざり

そうせずにはいられない動きのことば
  他にはないの
助詞は、たすけてくれる言葉なんかじゃない
【で】【に】【を】それだけでは意味もなさない
星座にもならない
名もない星のように

星雲の輝きをもとめない
リンゴの香りは、
言葉のすき間をうめる 【コトバ】たち
路地裏にころがる
使い古しを捨てさったら、

きっとそこにある
言葉にかわるもの

願い、つないだ手がつたえる
同じあたたかさの ぬくもりや、
差し出された、何でもない日の花たばも、
一緒に見上げた冬の星空にもあった、
言葉にならない【コトバ】が、
たくさんあつまって

頼っていたりしたら つたわらない
流れ星になって
 言葉をすこしばかり
   投げ捨てて
ちがうものを さがしてみる

だから、
ほろほろと、広げた手のひらから、
落ちていく
言葉たちにわるくて、
今日の詩人はあきらめ気分で
夜空の月影に 身をひそめ
かくれていたりするのです





自由詩 「花 束」 Copyright 月乃助 2009-12-01 05:15:53
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