スター
番田 

何にもない手には
ゴミ袋の 黒さ
その照り返しが ぬらぬらと
僕みたいに見えたんだった

君みたいに見えたのは
やっぱり歌だった tシャツは
オレンジの 英語のプリントの
歌だった、 僕ではなかった

君の歌は
白い砂浜の きらめき
ゆらめき 縮れては 遠く果てしない空の
砂の上に 蟹たちが憧れて

何にもない手の
高架下で 過ぎ去った僕の ダンボールハウス
今は砂をチンピラに 噛まされながら 歌は
僕の確かな 夢としてある


自由詩 スター Copyright 番田  2009-12-01 00:55:41
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