愛されなかったひとのためのソナタ
瀬崎 虎彦
結晶する 耳元を過ぎる速い風
二人から 切り離されていく運命
共有した 時間が遠ざかっていくと
無理して 笑っていたのかと疑心暗鬼
光のさす場所を突き止めて
香りの漂う源を追い求めて
ただひとつの曇りもない
あの人の心の窓に亀裂
愛されなかったと
愛したひとが言う
愛されたかったと
愛したひとが言う
愛して幸せだったと
愛したひとだけが言える
自由詩
愛されなかったひとのためのソナタ
Copyright
瀬崎 虎彦
2009-11-28 23:48:52