黒い月ー序
……とある蛙

僕は夢想する

雲一つ無い青空に
ぽっかり浮かぶ黒い月を

僕は夢想する

鬱蒼としたジャングルに
飛来する原色の鳥達を

僕は夢想する

ジャングルの樹々の間を
悠然と歩む猛獣たちを

僕は夢想する

ジャングルの樹々の上で
咆哮する長毛金髪の類人猿を

僕は夢想する

濃密な湿度の中で
生い茂る下草の羊歯類を

僕は夢想する

腐敗しかけた落葉の上を
はい回る黒光りする甲虫類を

僕は夢想する

ジャンングルの下草の隙間をはい回り
甲虫類や小動物を捕食する野鼠を

僕は夢想する

遥か彼方 大河の彼方に
沈んでしまった赤い太陽を



エアコンの効かない
安アパートの一室
下着一枚 ベットに横たわり
ジットリした汗の高湿

風一つ無い暗い闇
窓から覗く黒い月


自由詩 黒い月ー序 Copyright ……とある蛙 2009-11-26 09:44:09
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