瀬崎虎彦は今日も詩を書いています。
瀬崎 虎彦
ペンネームとか筆名とか、自分の詩に自信があるならばそれで良いし、名前で詩の価値が変わるわけでもない、と思うのだけれど実際は自信もないし、詩の印象が変わる気がして、やっぱり筆名を使うことにした。匿名性は、仮に僕が本名で作品を書いても僕が特定されるわけではないし、また本名で書くことによってその行為に責任(たとえばあまりおおっぴらに駄作を書かないとか)が生じる気もするのだけれど、それでもやっぱり、というわけ。で、筆名をどうするか。そこでも紆余曲折があって今のものを使っているのだけれど、自分は強そうな名前が良いなあ、と思ってこれにした。本当はあと三つくらい理由があるけど、内緒。筆名で書いていて、書くものに柔軟さが生じるのがわかる。長所短所ともにあるだろうけれど、今のところは心地よい。けれど僕がこの筆名を変えてしまって、それでも「ああ、これはあの人の作品だな」とちゃんと見つけてもらえるか、不安。芯に一本貫徹したもののある、そういう作品が書けているだろうか。でもその「らしさ」がどういうものなのか、自分の書く行為の本質に肉薄したところで守っているものは何であるのか、本人も知らない。少しでもそれに近づくために書き続け、書き続けるほどにそれは変化していく。
瀬崎虎彦は今日も詩を書いています。