償い
中原 那由多

誰かを好きになることで
その人を幸せにできると思っていた
そんな過ちを振りかざし
頬を赤く汚してきた

殺さなければいけないものは
純粋紛いの青春か


人のせいにしておけば
きっと無実でいられるのかもしれない
もういいんだよ、と
掌の中に収めることを見送ったから
今なら何とでも言える

所詮は噛み合わない歯車

気付いていても口には出さなかっただけ


影を作ってはすぐ消して
今度は形を変えてゆく
自由を求めていることで
すでにそこから出られない
加害者であるならば
さあ、自首を促してくれ


誰かを好きになることで
その人を傷付けていた
思うことではなくて
私自身が罪だった
悪足掻きとしての逆恨み


嘘泣きするのは誰?



自由詩 償い Copyright 中原 那由多 2009-11-15 12:48:01
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悠希子